オラトリオ『オリーヴ山上のキリスト』シェルヘン指揮
2025年 12月 01日
シェルヘンは戦後のヨーロッパで積極的な活動を展開していたアメリカのウェストミンスター・レーベルのメイン・アーティストとして膨大なアルバムをセッション録音で制作しているが、当時日本ではほとんど評価されなかった。芸風には王道を歩むといった風格はない代わりに、個性的なことでは類を見ない。バッハのマタイ受難曲やロ短調ミサ、ヘンデルのメサイアにモーツァルトのレクィエムといった声楽大作を軒なみ録音しているが、ベートーヴェンの『オリーブ山上のキリスト』もあるところが、さすがシェルヘンだ。
『オリーヴ山上のキリスト』は「最後の晩餐」のあと、自身が捕えられ処刑されることを悟ったイエスが、十字架にかけられる前にオリーブ山(ゲッセマネの丘)に使徒たちと登って苦悩を語り、神に祈りを捧げるが、そこで兵士たちに捕まり、十字架に架けられる、という典型的なオラトリオ。ベートーヴェンの作品としては全然人気がないが、聴けば楽しめる佳作だ。オーマンディ盤やボード盤も手元にあるが、個人的に一番ピンとくるのはこのシェルヘンの演奏である。マリア・シュターダーの美声に魅せられる。
● ベートーヴェン:オラトリオ『オリーヴ山上のキリスト』 op. 85
マリア・シュターダー(ソプラノ)
ジャン・ピアース(テノール)
オットー・ヴィーナー(バス)
ウィーン・アカデミー合唱団
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
録音:1962年(ステレオ)
by yoshisugimoto
| 2025-12-01 05:47
| クラシック音楽CD
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