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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

『宮廷画家ゴヤは見た』2006年

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『宮廷画家ゴヤは見た』(きゅうていがかゴヤはみた、英語原題:Goya's Ghosts)は、2006年のスペイン・アメリカ映画。

スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤが活躍した時代を背景に描いた歴史映画である。

ストーリー
1792年マドリッド。スペイン王室の宮廷画家ゴヤは、依頼を受け修道士ロレンゾの肖像画を描いていた。ロレンゾは、隠れ異教徒を探し出しては異端審問にかけることで、失墜しかけているカトリック教会の権勢を取り戻すべきだという提案をしていた。ロレンゾの提案を採用した教会は、早速被疑者たちを捕捉しはじめる。その中には、食堂で豚肉を食べなかったというだけでユダヤ教徒の疑いをかけられ捕らえられたイネスもいた。イネスは富裕な商人ビルバトゥア家の美しい娘で、ゴヤの絵のモデルでもあった。ビルバトゥアは友人でもあるゴヤを介してロレンゾを家に招待し、無実の娘を返してほしいと懇願する。
異端審問を扱った作品で、短めの映画だが、秀作である。脚本も風刺たっぷりで、よくできている。今からしたら異端審問など馬鹿げているが、当時は大真面目だったのだろう。スペインは新大陸で暴虐の限りを尽くしたので、異端審問で身を亡ぼしたのは自業自得だ。ナポレオン軍がスペイン人民を虐殺したというが、それも自業自得。異端審問は中世はほとんど問題にならず、近世の宗教改革以降盛んになったというから、カトリックも大した邪教である。異端審問は程度こそ違うが、プロテスタントも実施している。現代でもキリスト教は教会の異端者を袋叩きにする。隣人には親切にしなさいと言っても、信徒が下手なことを言うと憎々しげに糾弾される。若いころ教会に通っていたから、その辺り身に染みている。

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by yoshisugimoto | 2024-07-27 11:28 | 映画 | Comments(0)