『最前線物語』1980年
2024年 03月 21日

第二次大戦下のヨーロッパを舞台に、古参の軍曹(マーヴィン絶品!)と4人の若年兵の分隊の行動を描く。北アフリカ戦線に始まって各地を転々と移動して行く中、彼等が出会う数々のエピソードは、兵士にとって“戦争”は結局個人の問題でしかない事を痛烈に物語る。長年のブランクの後、映画作家フラーが自身の体験を反映させた、悲しく愉快で、美しく感動的な戦争ドラマの傑作。(以上『allcinema』)

1942年6月、太平洋ではミッドウェー海戦でアメリカ海軍が勝利、日本海軍は太平洋での主導権を失い、戦局は大きく転換した。
ヨーロッパでは連合軍によるドイツ空爆が始まり、11月には連合軍がアフリカに上陸して反撃が開始された。ドイツ軍は1942年9月からスターリングラードの戦いを開始したが、1943年2月2日、ついに包囲戦に失敗して降伏したことを期に東部戦線でも後退を始め、連合国側の態勢が整うに伴って不利な戦いを強いられることとなった。その前日の1943年2月1日には太平洋戦争で日本軍がガダルカナル撤退を開始しており、ここが転換点となった。
反撃に転換した連合軍は、同年7月にイタリアのシチリア島に上陸、イタリア国内ではムッソリーニ政権が倒れ1943年9月、バドリオ内閣が降伏を表明した。ドイツ軍はイタリアに進駐して9月にイタリア半島に上陸した連合軍を迎え撃ち、イタリアを南北に二分する激戦が続いたが、連合国側の勝利が濃厚になっていった。(以上『世界史の窓』)
昔、米国のテレビ・シリーズに『コンバット』というのがあったが、あれを映画にしたような作品。アメリカ陸軍の第1歩兵師団は、第一次世界大戦中の 1917 年に設立されて以来、正規軍で継続的に勤務している師団としては最も古い。肩のパッチにちなんで「ザ・ビッグ・レッド・ワン」と呼ばれている。これが英語のタイトルとなっている。舞台はアフリカ→シチリア→ノルマンディー→ベルギー→チェコと同じ顔ぶれが死なず、怪我せず生き残り、最前線の転戦を続けていく、という非現実的なストーリー。

とくにノルマンディーでは激戦地のオマハ・ビーチで戦ったことになっているが、いかにも作り話だ。生き残ったのは単に運が良かっただけで、それ以上の何かがあったわけでもなく、とくに訴えかける内容はない。要は戦争アクション映画と見るべきで、反戦のメッセージ性も皆無だ。戦闘シーンと日常シーンがごちゃ混ぜで、何を表現したいのか戸惑わざるを得ない典型的なB級作品。
by yoshisugimoto
| 2024-03-21 15:15
| 映画
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