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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

『史上最大の作戦』1962年

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『史上最大の作戦』(The Longest Day)は、1962年のアメリカ映画。モノクロ。20世紀フォックスが製作・配給。第二次世界大戦における連合国軍のノルマンディー上陸作戦(全体の作戦名はオーヴァーロード作戦)の詳細を描いたコーネリアス・ライアンによるノンフィクション「The Longest Day」(邦題「史上最大の作戦」)を原作に製作された戦争映画である。

概要
20世紀FOXの大プロデューサーダリル・F・ザナックが心血を注いで製作した作品。アメリカからジョン・ウェインやヘンリー・フォンダらが参加した他、英仏独からも豪華キャストを迎え、製作費1,200万ドル(当時のレートで43億円)の巨費を投じた。なお当時20世紀FOXは『クレオパトラ』の製作で財政上の問題を抱えて会社が倒産寸前までいったが、この映画の世界的な大ヒットで再建したと言われている。

原題を直訳すれば『一番長い日』であるが、当時20世紀FOX日本支社の広報を務めていた水野晴郎が『史上最大の作戦』と改題した。

音楽はモーリス・ジャールが担当した。主題歌は、この映画に出演もしている歌手ポール・アンカが撮影中に作詞・作曲し、ミッチ・ミラー(英語版)が行進曲風に編曲して自身の楽団・合唱団が演奏している。

1963年・第35回アカデミー賞では5部門でノミネートされ、そのうち撮影賞、特殊効果賞を受賞した。

後年、本作のフィルムにコンピュータで着色した「カラー版」も製作されているが、軍服や徴章、勲章などの着色に誤りがある。(以上Wikipedia)

ノルマンディー上陸作戦
第二次世界大戦の末期、1944年6月6日、連合国のアメリカ、カナダ、イギリス軍は、フランスのノルマンディー海岸に大規模な上陸作戦を敢行した。その兵力は1日だけでも約10万人、それを5000隻の艦艇と、1万2000機の航空機が支援した。これは「オーバーロード(大君主)作戦」と呼ばれ、アメリカのアイゼンハウアー元帥が指揮を執り、1週間で50万の兵員を上陸させた。ドイツ軍はロンメル元帥が指揮し、30万の兵力と1000台の戦車で迎え撃ったが、艦砲射撃と空爆によって有効な反撃ができず、連合軍の上陸を許した。ドイツ軍はやむなく撤退したが、敵に損害を与えながらの撤退戦術で、アメリカ軍に大きな損害を与え、アメリカ軍の当初半年でドイツは降伏すると予測していたが、実際には1年かかることとなった。
1944年12月、ドイツ軍は、西部戦線のアルデンヌに残存戦力を結集し、最後に作戦を敢行、一気に挽回して補給の要地であるベルギーのアントウェルペンまで押し戻そうという「バルジ作戦」(バルジとは「突出」の意味)を敢行したが、10:1の空軍力の差で進撃は食い止められ、45年1月に両軍約50万の死者を出し、西部戦線最後の会戦は終わった。<『20世紀の戦争』朝日ソノラマ p.61>

『史上最大の作戦』1962年_b0109511_07083351.jpg第2次世界大戦で「史上最大の作戦」と呼ばれた連合軍のノルマンディー上陸作戦は、1944年6月6日未明に始まった。写真は、北フランス・ノルマンディー海岸のうち「オマハ・ビーチ」と名付けられた作戦区域に上陸する米軍兵士。オマハ・ビーチはドイツ軍が最も強い抵抗を示した場所で、映画「プライベート・ライアン」冒頭では、その激戦が余すところなく描かれた。

写真は米兵が上陸用舟艇から降りて海岸に向かうところで、既に戦闘のピークは過ぎた段階のようだが、米兵の後ろ姿は緊張感に包まれている。前方の海岸には撃破された車両らしきもののほか、上陸を阻止するためにドイツ軍が砂浜の上に設置した障害物が見える(1944年06月06日)

【AFP=時事】

D-デイのアメリカ軍全体の戦死者は戦死1,465人~2,501人となったが、この損害も作戦立案者が推計した値を遥かに下回るものであり、連合軍最高司令部の懸念は全くの杞憂に終わった。ユタ・ビーチに上陸したアメリカ軍第4歩兵師団の先頭となった第8戦闘団と第22戦闘団の戦死者はたった12人で、殆どの兵士が戦闘どころかドイツ兵の姿すら見なかった。この日のために猛訓練を積み、生死は「神のみぞ知る」と覚悟していた多くの兵士にとっては、D-デイの勝利がなんとなく、呆気ないものに感じられたという。

一方でドイツ軍の死傷者は約9,000人であったが、他に約200,000人が捕虜となっており、連合軍上陸初日で大損害を被ることとなった。結局、ドイツが国力を集中して構築した「大西洋の壁」は、若干の陣地での頑強な抵抗を除けば、連合軍にとって何の支障にもならなかった。アイゼンハワーは、大きな損害を受けることなく上陸作戦が成功したことについて以下のように分析した。

オマハを除くノルマンディの全海岸で、我々が比較的軽い損害しかうけなかったのは、主として機動力をつかった新機軸が成功したのと、奇襲の第一波として大量の機甲部隊を上陸させたのが、上陸部隊の兵士に物心両面にわたって、驚くような効果をあたえたからだ。機甲部隊の援助がなかったら、奇襲部隊が上陸地点を強固に確保できたかどうか疑わしい。

しかし、この上陸作戦でもっとも損害を被ったのはドイツ軍でも連合軍でもなく、戦場となったノルマンディの住民たちであった。上陸前空襲によって、24時間以内に死んだノルマンディの住民は、D-デイにおけるアメリカ軍の死者の2倍以上の3,000人にも達した。そして、“ノルマンディ解放”までにドイツ軍に殺害されたり、戦闘に巻き込まれて死亡した市民は19,890人にも及び他にも大量の負傷者が生じた。これとは別に、上陸前の連合軍による準備爆撃でD-デイまでにノルマンディを中心として15,000人の住民が死亡し、負傷者は19,000人にも達した。これはノルマンディ解放までにアメリカ軍が被った戦死者数を遥かに超える人数であり、連合軍の空爆で死亡したフランス国民の総数は70,000人にも達し、ドイツ軍の空襲によって死亡したイギリス国民の人数を大きく上回っている。(以上Wikipedia)

有名な作品で、チラ見したことはあったのだが通して見たのは初めて。見るうちにこれは凄い作品だと分かった。ノルマンディ上陸作戦の一部始終を描くという企画は空前絶後で、往年の大スターがきら星のように出演、今後ともこれを凌駕する作品は現れないだろう。ただモノクロだし、兵士は撃たれても斃れるだけで、手足がバラバラになって内臓が露出するところまでは撮られていない。これは『プライベート・ライアン』には敵わない。いろいろ思惑があってわざわざモノクロで撮られているが、カラー化版は是非見てみたい。

上陸作戦はもっと甚大な被害を出すことが予想されていたが、結果的には予想をはるかに下回る損失で終わった。ただし、オマハビーチは激戦で2,000人が死傷。これもサイパン島や硫黄島の上陸作戦に比べたらはるかに少ない。

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by yoshisugimoto | 2024-03-08 07:41 | 映画 | Comments(0)