『ロビン・フッド』2010年

『ロビン・フッド』（Robin Hood）は、2010年のアメリカ・イギリス合作映画。

ストーリー

時代は12世紀末。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビンは、イングランドの騎士ロバート・ロクスレーの暗殺現場に遭遇。ロバートの遺言を聞き入れ、彼の父でノッティンガムの領主であるサー・ウォルターに剣を届ける役目を引き受ける。

かくして訪れたノッティンガムの地で、ロバートの身代わりになってくれと頼まれるロビン。彼の素朴な人柄は領民たちの人気を集め、ロバートの未亡人マリアンとも次第に心が通いあっていくのだが、その行く手には、イングランド侵略をもくろむフランス軍との壮絶な戦いが待ち受けていた。（以上Wikipedia）

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エンタテイメントとしては大変見応えのある歴史ドラマ。ロビン・フッドはイギリスの伝説の義賊で、何人かの人物にまつわる伝承が合わさって形成された可能性が高いとのこと。この作品も当然創作が主体。とくにフィリップ２世が船団を率いて英国に上陸した、というのはありえない。フランスにあったアンジュー帝国と呼ばれたイギリス領を奪取するのに忙しく、本国まで手が回らなかったはずだ。

中世にあってはイギリス、フランスといった国家の概念はあいまいで、王権も強くなく、封建領主はそれぞれが自給自足の経済を営み、領地の周りは森で囲まれていた。そうした歴史的背景は正しく再現されている。ジョン王がダメ君主だったのもその通りで、『ロビンフッド』でも「悪役」として描かれている。1215年、結束した封建領主（貴族）の脅迫に屈したジョン王は、マグナ＝カルタとしていったん承認したが、その後その無効を主張、貴族と対立するうちに翌年、病死した。イギリス歴代国王のなかで、ジョンは常に「ワースト１位」の存在なのである。