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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

ベートーヴェン : 交響曲第7番&第8番 (1954) / フルトヴェングラー

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「ぼくは1954年のフルトヴェングラーの演奏に特別の感慨を持っている。1930年代、40年代の燃えに燃えたフルトヴェングラーももちろん良い。しかし晩年の演奏の完成度にも強く惹かれざるを得ない。造型においても表情においても、それまでに見られなかった深みを湛えているからで、とくに1954年の演奏に特徴が顕著なのである。 (中略) この「第7」も、まぎれもなく1954年の演奏である。フルトヴェングラー独特の内容を十分に保ちながら、テンポの激しい変転を少しでも抑えようとする理性や意思の力が実感されるからである。・・・ (「第8」について) 遅いテンポと腰の重いリズムを一貫させ、音の出し方に絶えず意味があり、すばらしい情熱を内燃させた第1楽章、やはり遅いテンポと分厚いひびきで、すごい内容を感じさせる第3楽章あたりは、彼ならではの名演であり、フィナーレも53年盤をはるかに上まわる。録音もひびきの豊かなぶん、このほうが上で、フルトヴェングラーの「第8」の代表盤といえよう。」 (宇野功芳 ライナー・ノーツより)
いかにもの宇野節だが、一応参考にはなる。53年盤も持っているが、その優劣を今更論じてもねぇという気もする。演奏はともかく音は古い。これでもフルトヴェングラーの音源では最もマシなほうだ。フルトヴェングラーの音源は全て持っているというクラシック・マニアがたまにいる。当方もヒストリカル派だが、こんな古い録音ばかり聴いてイヤにならんのかね、と思ってしまう。そうは言いつつ、古い録音も聴いていればすぐに慣れてしまう一面はある。でも今ならチェリビダッケの優秀録音のほうがいいな。

交響曲 第7番 イ長調 作品92
交響曲 第8番 ヘ長調 作品93

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー (指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1954年8月30日フェストシュピールハウス、ザルツブルク (ライヴ)

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by yoshisugimoto | 2023-12-01 07:06 | クラシック音楽CD | Comments(0)