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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

『プライベート・ライアン』1998年

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『プライベート・ライアン』(原題:Saving Private Ryan、意味:兵卒ライアンの救出)は、1998年公開のアメリカ合衆国の映画。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦において、行方不明となった1名の兵士の救出に向かう部隊を描く戦争映画。ナイランド兄弟の実話に基づいたロバート・ロダット脚本、スティーヴン・スピルバーグ監督によるフィクションである。(中略)

リアルな映像とするため、POV方式を用いて撮影された本作は、敵の攻撃を受け手足が吹き飛ぶ、内臓が飛び出る、炎に包まれて爆死する、海水が血の色に染まる、曳光弾を交えた銃弾が衝撃波とともに飛来するなど、戦場の現実を生々しく描き、これまでになかった戦争映画として高い評価を受けた。特に冒頭から約20分間にもおよぶオマハ・ビーチ(区域はドッグ・グリーンセクターだった)におけるノルマンディー上陸作戦を描く戦闘シーンは、映画史に残る20分間として知られている。(以上Wikipedia)

またしてもスピルバーグの戦争映画だが、この映画は始めから終わりまで戦闘シーンが続く。虫けらみたいに死んでいく兵士ひとりひとりは家族もおり、ここまで育つのにどれだけ周囲の想いがあったことだろうか。そう思うと見るのが極度に辛い映画だった。いまだに国益のためには武力行使をためらわないとする独裁者がおり、戦闘シーンは映画の中だけの世界ではない。人間、なんと業の深い生き物なんだろうと思う。

中隊長ミラー大尉は6名の部下と通訳の8人のチームで、ライアンがいると思われるフランス内陸部へ向かう。そのあたり、黒沢映画の『七人の侍』と若干の共通点はないわけではないのだが、ああいう血沸き肉躍る感情は一切湧いてこない。それどころか、機銃掃射であっという間に敵味方が死んでしまうので、映画を見るだけでも外傷が残りそうだ。実際に従軍すればいかばかりかと思う。ただ、戦場の惨劇が最高のリアリティで映像化されたことは、今後の戦争回避に少なからず貢献することを期待したい。誰だって虫けらのように死ぬのはイヤなのだ。

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by yoshisugimoto | 2023-11-22 14:52 | 映画 | Comments(0)