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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

『シチリア島の夕べの祈り』(ヴェルディ)


『シチリアの晩鐘』(仏:Les vêpres siciliennes)は、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した5幕から構成されるオペラ。『シチリア島の夕べの祈り』や『シチリアの晩祷』とも訳され、前者が多く使用されるが一定しない。序曲は演奏会などで単独でも演奏される有名な楽曲である。元になった題材は、1282年にパレルモで島民によってフランス人が虐殺された、「シチリアの晩祷」と呼ばれる事件および暴動である。(以上Wikipedia)
1282年3月30日に、アンジュー家の兵の一団がパレルモでシチリア住民の女性に暴行したことに怒った住民が暴徒化した。忽ちのうちに暴動はシチリア全土に拡大し、4000人ものフランス系の住民が虐殺された。事件の発生した3月30日は復活祭の翌日に当たる月曜であり、教会の前には大勢の市民が晩祷(夕刻の祈り)を行うため集まっていた。彼らが暴動を開始したとき、晩祷を告げる鐘が鳴ったことから「シチリアの晩祷(晩鐘)」と称されるようになった。(以上Wikipedia)

『シチリアの晩鐘』は序曲集でおなじみの曲目だ。時代はちょうど十字軍が終焉を迎えたころ。ルイ9世(聖王)は第6回、第7回の十字軍を主催し、南仏のアルビジョワ派に対する征服を終わらせたこともあって、弟のアンジュー伯がシチリアを支配していた。フランスの圧政に対してシチリア全土が反乱を起こしたのが「シチリアの晩祷」。イタリアは神聖ローマ皇帝やフランス王が千年近く介入を繰り返して、都市共和国が分立したままだった。統一できたのはようやく1861年になってからで、ヴェルディはちょうどイタリア統一を目の当たりにしている。

そういった時代背景もわかって聴くとより趣が深い。単にオペラ作品の筋ではなく、作曲者が当事者の想いだったことだろう。他にも外国に蹂躙されるイタリアの民をバビロンに連れ去られたユダヤ人になぞらえた「ナブッコ」というオペラもある。

『シチリア島の夕べの祈り』(ヴェルディ)_b0109511_20145433.png

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by yoshisugimoto | 2023-10-09 20:15 | クラシック音楽CD | Comments(0)