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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

交響組曲『寄港地』

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交響組曲『寄港地』(仏: Escales, 3 Tableaux Symphoniques)は、フランスの作曲家ジャック・イベールの作品。1922年、イベールが32歳のときに完成された作品であり、ローマ大賞受賞によるローマ留学中に提出された作品で、イベールの出世作となった。

イベールは1910年にパリ音楽院に入学しているが、在学中の1914年に第一次世界大戦が勃発すると、志願して海軍士官になったという経歴を持っている。イベールは戦争中に海軍士官として地中海を航海したが、各地に寄港した際に接した異国の風物の見聞や、ローマ留学中のスペイン旅行から得た印象がこの曲には盛り込まれている。

楽曲構成
第1曲「ローマ ― パレルモ」
6/8拍子。緩やかに。ローマを出航し、地中海をシチリア北岸の港パレルモへと向かう航海の描写。弱音器をつけた弦楽合奏で開始され、フルートが海の情景を描きだす。音楽が徐々に高まるとトランペットがタランテラを導入し、南国の喧騒の情景が描かれる。南国の喧騒が静まると、冒頭の海の情景が回帰し、曲を閉じる。

第2曲「チュニス ― ネフタ」
7/4拍子(4/4拍子と3/4拍子が交代)。リズミカルな中庸の速度。ティンパニとコル・レーニョやピッツィカートを交えた弦楽の伴奏に乗せて、終始オーボエがアラビア風のエキゾチックな旋律を自由に展開しつつ奏でる。チュニジアの港町チュニスから、南の奥地の町ネフタへ向かう旅の情景。

第3曲「バレンシア」
3/8拍子。活気をもって。打楽器を交えた、色彩豊かなスペイン舞曲セギディーリャのリズムに乗せて、多彩な主題が登場する。中間部での弛緩を経て、曲は再び活気を増し、交錯する主題のなかで激しさと興奮を加えて全曲が閉じられる。スペイン東部の港町バレンシアの情景である。(以上Wikipedia)
イベールの『寄港地』は従来は漫然と聴くだけだったか、今回思い立って実際に地図をたどってみた。ネフタ(下:湖畔)以外の地名はどれも聞いたことはあるのだが、漠然としていた。地中海の旅である。基本海路だが、港町チュニスから、南の奥地の町ネフタという陸路もある。地図で確認すると曲想がより理解でき、この曲に一層の愛着が湧いたことを報告しておこう。

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by yoshisugimoto | 2023-04-28 08:47 | クラシック音楽CD | Comments(0)