やっぱりスワン
2022年 09月 12日

今にして思うに、長岡さんのスーパースワンはやはり画期的なスピーカーだった。ウェスタンなみの音離れの良さと音の軽さを6畳の程度の普通の部屋で、ローコストに実現しようとすれば、やっぱり第一に検討すべきスピーカーだと思う。
ただし、スワンしか使ったことがないとか、スワンをただ単体で使っているだけ、というのは守破離のうちの「守」のレベルにとどまっており、マニアとしてはビギナーという感じがする。スワンをコアとしながら、サブ・ウーファーやスーパーウーファー・スーパーツィーターを追加したり、真空管アンプを使ったりといった使いこなしは必要だ。個人的にはスワンは半製品だと思っている。
当時のスワンの紙臭い音がいやで、スワンを離れた人は数多い。スワンはその形状からして他のスピーカーを置けないので、どうしても一旦放り出すしかない。また放り出すとなれば、合板を貼り合わせたチープなルックスには何の未練も湧かない。当方もその一人だ。オーディオはスワンだけでは終わらない。ほかにいろいろな価値観はあって、とくに中高音の繊細な市販スピーカーの音作りはそれぞれに魅力的だった。
それで市販品を20年以上使ってきたが、結局どうがんばっても「音離れの良さと音の軽さ」はスワンに及ばなかった。それでD102MKIIの改造型というスワンに準じたモデルに回帰している。D102なら他のスピーカーと共存できるのである。スーパースワンが発表されてからすでに30年以上経過し、ユニットの紙臭い音もけっこう進化している。
回帰して思うのは、やはり小口径フルレンジのバックロードホーンは他にはない良さがあるので、これを生かしたスピーカーシステムを構築すべきだといくこと。しかし、オーディオの価値観はスワンだけではないので、他のスピーカーも併用すべし、ということだ。
by yoshisugimoto
| 2022-09-12 06:53
| オーディオ
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