温故知新
2022年 08月 17日
小口径フルレンジの自作スピーカーに小出力の自作真空管アンプとくれば、昔日の『初歩のラジオ』の世界だ。今にして思えば、この両者は相性がいい。小口径フルレンジは小出力の真空管アンプで十分駆動できるし、中高音の分割振動のキツい音も真空管がうまく手なずける。
ただし、これだけではミニチュアの再生音だ。今ならハイスピードなサブウーファーを使えば解決できる。もちろん、サブウーファーはソリッドステートアンプで駆動するわけだ。サブウーファーで超低音まで再生した小口径フルレンジなら、結構ハイエンドオーディオに肉薄できると思う。というかそういうチャレンジがオーディオという趣味を面白くするわけだ。高価なハイエンド機器ばかりがオーディオではない。
小口径フルレンジはメーカー製2ウェイと比べると、現代のハイレゾ録音の再生には一歩劣るかもしれない。しかし、古い録音から音を100パーセント掘り起こすには、ネットワーク入りのウーファーではダメだ。古い録音にはむしろ小口径のフルレンジが合う。アコースティック蓄音機に肉薄する音離れの良さがあるのはむしろ小口径のフルレンジなのである。
いずれにしても小口径フルレンジと小出力の真空管アンプは一般家庭用の再生装置としても十分な可能性を持っている。自分が実際に6BQ5シングルアンプのユーザーとなってみて、『初歩のラジオ』の世界は侮れないんだなと今さらながらに実感している。温故知新というところ。
by yoshisugimoto
| 2022-08-17 11:19
| オーディオ
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