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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

大峰南奥駈道を完走

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北奥駈道はS社のツアーに参加したが、これで大峰奥駈道の事情は大体つかめたし、いろいろのコツや要領を勉強させてもらった。南奥駈道はぜひ単独行で歩きたい。この期に及んで奥駈道をすべてツアーで歩いたのでは納得がいかない。やればできるはずという想いが強くなった。

要は玉置神社近辺に避難小屋がないのが最大の問題点だ。テント泊するしかないのだが、当方はテント設営の経験はゼロだ。テントを新規で購入すると、荷物も重くなるし、お金もかかる。奥駈道は荷物の軽量化が何よりも大切だ。徹底軽量化と徹底コストダウンで詰めていくと、梅雨入り前の好天を選んで野宿がベスト、との結論に到達した。

案ずるより産むが安し、でやってみると今回はたまたまうまくいったが、タイミングを外すと危険なのはいうまでもない。下は自分なりに限界まで軽量化を図ったザックだが、水なしで8kgに収まっている。平均的なザックよりは4kg近く軽い。体力がない分は自分でいろいろ工夫するしかない。

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南奥駈道も北奥駈道同様、厳しい修験の道であることには変わりない。荷物の軽量化は大いに効いている。3日間歩いたが、どの日も毎日が真剣勝負、楽な日は一日もなく、えらく苦労して完走したのが実感だが、その分達成感もある。思いがけない出会いもあったし、厳しかったが祝福されている感じもあった。

5/31(火):職場~紀伊田辺~熊野本宮⼤社
熊野本宮大社に移動するのは午後からでも何とかなる。前の週にも休みを続けて取っているので、この日は午前中だけ職場に出た。紀州路快速と各停を乗り継いで紀伊田辺まで、紀伊田辺から最終バスで本宮大社に向かう。バスの乗客は後半から当方一人となった。本宮大社すぐ横のゲストハウスに宿泊したが、宿泊者も当方のみ。一棟貸し状態で快適だった。

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6/1(水):熊野本宮⼤社(早朝発)〜⽟置神社(⼣⽅着)
本宮大社前のゲストハウスを早朝出立。備崎橋を渡って奥駈道に取りつく。玉置神社まで9時間と書かれていた。熊除けにラジオのFM放送を鳴らしっぱなしにしたが、山道に古楽や交響楽が流れ、ゴージャスな気分に浸れた。アナウンスもあるので、単独行でも寂しさが紛れる。山歩きでラジオがこれほど使えるとは思わなかった。前半順調に歩いていたが、後半五大尊岳のロープ伝いの急登が延々と続き、足が攣りかけた。さらに気温が高く無風状態で、水が尽き始めた。休みながら少しずつ進むしかない。ようやく平坦な道に抜けたが、玉置神社に着いたころには疲労困憊していた。

玉置神社は野宿なので、まず場所を確保しなければならない。参拝もそこそこに予定地の駐車場に出向いたが、ずいぶん本殿から離れていた。駐車場では若い女性がバーナーでお湯を沸かしていて、「奥駈道の方ですか」と向こうから声をかけてきた。聞けば吉野から単独行しており、この人もここで野宿するという。その強心臓には感心するしかなかったが、仲間ができたのは何とも心強い。さらに驚いたのは2週間前に北奥駈道で一緒だったS社ツアー一行と行仙小屋で昨晩一緒だったとのこと。そのうえ、S社ツアー一行とは明日また合流する予定だということだった。「よろしく言っといて」と言っておいたが、結果的に当方が抜け駆けしたような感じもあり、S社ツアーの皆さんはあまりいい気持ちはしないかもしれない。

駐車場には幸いなことに屋台用のテントが3つほど設置されていて、週末だけ業者が来るようだ。これを使わせてもらった。テーブルのうえにマットと寝袋を敷いて休んだが、心配していた蚊の襲撃も全くなく、一晩通して風も穏やかだった。彼女も隣の屋台でビバークしていたが、問題なかったということだ。さすがに標高1000mで気温はそこそこ下がった。野宿でもラジオが役立った。「ラジオ深夜便」を聴くともなく流していると、野宿にありがちな孤独感・恐怖感を全く感じない。ラジオを持ってきたのは大正解だった。駐車場は広大でトイレもあったし、見晴らし良く、夕日も星空もきれいだった。

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6/2(木):⽟置神社(早朝発)〜⾏仙⼩屋(⼣⽅着)
未明に彼女と一緒に出立し、すぐ別れた。この日も午前中順調だったが、地蔵岳の鎖場にたどりついたころには結構疲れており、垂直の鎖を見て予想通り衝撃を受けた(話には聞いていたので心の準備はできていたつもり)。疲れたまま登るのは宜しくないと思い、十分休憩を取ってから、気持ちを落ち着けて登り始めた。この一帯は登り下りがやたらと厳しく、あまり前に進めない割には時間を取られた。平坦な道に出てからも行仙小屋まで、近いようでなかなか辿りつけなかった。着いたのは16時ころで、コースタイムを大幅にオーバー、これでは明日が思いやられる。疲れた体を休めていると、程なく2名到着。うち1名は2週間ほど前に前鬼小仲坊でたまたま雑談を交わしたN氏だった(この人はツアーのメンバーでもなく全くの行きずり)。N氏は玉置神社から登ってきたということで、翌日以降はこの人と行動を共にすることになる。

行仙小屋は40名宿泊可能で、毛布や食器をはじめ生活用品がすべてそろっているうえに、太陽光発電?で電気も付くし、携帯電話の充電もできる。避難小屋としては屈指の充実ぶりで、その晩は寝袋は使わず備え付けの毛布を使わせてもらったが、もちろんその方が快適だった。

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6/3(金):⾏仙⼩屋(早朝発)〜深仙⼩屋(⼣⽅着)
この日が一番の長丁場で、コースタイムをオーバーするのが常なので、12時間くらいかかると予想される。といっても日は長く18:30でもまだ明るいので、終日歩き通すことができればなんとかなりそうだ。とにかくペースを守って焦らないでおこうと思った。未明に⾏仙⼩屋をN氏と出発した。N氏は66歳とのことで100名山を90座こなされているが、歩くペースはだいたい当方と同じ。この日は当方が前を歩いて、N氏が5分くらいの距離をおいてついてくるという展開になった。

平治小屋・持経小屋を過ぎると尾根の一本道が延々続き、前方に山が現れては登って下っての繰り返し。一本道で歩きやすいのだが、かんかん照りで気温も上がり、予想外に水を消費してしまい、底をつき始めた。道はいつしか笹野原の道になり、道なりに歩くのだが、もうすぐのはずがなかなか着かない。やっと太古の辻に着いた時は水が一飲み分しか残っていなかった。大いに危機感はあったが、やむをえず水をすべて消費してから深仙小屋に向かった。深仙小屋~太古の辻のルートは前回歩いており、勝手はわかっている。意外に時間がかからず、小屋が見えた時にはほっとした。到着と同時に水場に向かって、水をがぶ飲みしたのは言うまでもない。

この日の深仙⼩屋は当方とN氏のほかに2名の同宿者があって計4名。小屋は標高1359mの稜線にある。暗くなってから風が吹き始め、風速20mはあろうかという風が一晩中吹いて、気温も10度以下に下がった。夜半トイレで起きて外に出たが、恐ろしいと思うと同時に避難小屋のありがたさを痛感した。

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6/4(土):深仙⼩屋(早朝発)〜前⻤⼝(15︓00着)
夜明けと同時に風も収まり、気温も上がり始めた。深仙⼩屋~前⻤は前回同じルートを歩いている。それでも前半は結構な難路だ。小仲坊に着いたら、ちょうど当主の五鬼助さんも到着されたところで、ビールを売っていただき、N氏と乾杯した。小仲坊から前⻤⼝バス停まで車道で、3時間弱かかったが、バスの時間には余裕をもって到着した。「地域公共交通パスポート」を事前に申請して入手したおいたので格安(正規料金3000円が1000円)で乗車できた。

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極めて充実した山行だったが、泊ったのがゲストハウス(3800円)-野宿-行仙小屋(2000円)-深仙小屋(無料)だし、往復の交通費や食料を含めても15000円ほど。これほどコスパのいい旅行は今後ともないに違いない。まさに究極のウルトラ・ハイCPである。

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by yoshisugimoto | 2022-06-04 23:50 | その他 | Comments(0)