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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

7233のSEPPアンプを導入

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プッシュプルアンプとは、最終段に真空管を2本使用して、プッシュプル動作させており、出力は、トランスで合成している。位相反転回路により、反転信号を作って最終段をドライブする。プッシュプル回路はそれぞれ片側駆動している真空管の2次歪がトランスで合成したときに打ち消されるため、音質が優れていると言われており、加えて大きなパワーを出しやすい。高級な真空管アンプの殆どがプッシュプルアンプなのはそういった理由なのだそうだ。

OTL回路やOCL回路で使われるSEPP(Single Ended Push-Pull)と呼ばれる回路もある。オペアンプICの出力は、殆どすべてがSEPPである。こちらもプッシュプルなのだが、SEPPはデバイスの出力の位相は同じで、通常のプッシュプル回路は逆位相な点が根本的に異なる。周波数特性に優れ、NFBも多量にかける事が可能で、トランスレスにすると鮮度は上がる。ただしトランスレスにするためには出力回路を並列にしてインピーダンスを下げる必要がある。小規模なアンプで、インピーダンスを下げ切れないときはマッチング・トランスを使う。

市販の真空管アンプにはSEPP方式が見当たらないが、自作アンプで製作例は豊富なようだ。パワーが制限されるが、メリットも多い。ネットでSEPPアンプのサイトもある。今回ご縁があって、製作された真空管SEPPアンプを譲っていただいた。

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出力管の7233は本来は出力管ではなくレギュレータ管で、真空管の売価は1300円、バーゲンだと600円で出ていたこともあるローコスト球である。OTLではなく、マッチングトランスは使用している。これで8W+8W出る。当方はバックロードホーンなので、これで十分なのだが、市販するとなると、どうしてもより出力の大きいアンプが選好されるだろう。半年に一度のDCバランスの調整もいるので、市販するならメンテナンスフリーの回路を採用せざるを得ないという制約もありそうだ。

これまで使ってきたソフトンのModel8はよくできたアンプなのだが、コストダウンのためにプリント基板を採用しており、限界もある。譲ってもらったSEPPアンプはModel8よりも鮮度が向上、中高音はむしろマイルドになった。古いモノラル録音も生々しく迫ってくる。こうなってはModel8はお嫁に出すしかない。結局、Model8は2か月使っただけだったが、Model8を購入しなければ、SEPPアンプのご縁もなかったわけだし、導入ステップとしてModel8を使った経験はよかったと思う。

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by yoshisugimoto | 2022-05-27 16:48 | オーディオ | Comments(0)