デイブ・ディグス・ディズニー
2022年 05月 08日

ジャズ演奏はほとんどが「男と女の歌」を素材にしたものだ。大人の音楽とされるのは男女の情愛の音楽を哀愁をこめて演奏するからでもある。しかし、例外もある。ディズニーのアニメ映画の曲を素材にしたベル―ベックのアルバムがそうだ。「不思議の国のアリス」・「ピノキオ」・「白雪姫」・「七人の小人」といった曲が演奏されている。こちらはもともとが子供向けなので、ジャズにするにはそれなりのセンスが必要である。後年、マイルスやエバンス、コルトレーンがディズニーの曲を演奏するようになるが、この1957年のブルーベックのアルバムがさきがけとなったということだ。
実際聴いてみると、このアルバムはブルーベックの作品のなかでも特に上出来の部類だし、事実人気もあるそうだ。このころのブルーベック・デズモンドは相当なイノベーターであったようだ。とくにデズモンドの洒脱さがなければディズニーは料理できない。いくら天才であってもドルフィーでは合わない。これに名手ジョー・モレロが加わって一段と輝いている。後年、ガラルディのチャーリー・ブラウンのアルバムも出たがとても及ぶものではない。
"Alice in Wonderland" (Sammy Fain, Bob Hilliard) – 9:24
"Give A Little Whistle" (Leigh Harline, Ned Washington) – 7:32
"Heigh-Ho (The Dwarfs' Marching Song)" – 3:53
"When You Wish Upon A Star" (Leigh Harline, Ned Washington) – 4:49
"Some Day My Prince Will Come" – 8:15
"One Song" – 4:56
Reissue Bonus Tracks
"Very Good Advice" (Sammy Fain, Bob Hilliard) – 5:31
"So This Is Love" (Mack David, Al Hoffman, Jerry Livingston) – 5:56
by yoshisugimoto
| 2022-05-08 07:55
| ジャズ
|
Comments(0)