ソフトンのModel8-300Bでフルレンジユニットが驚く音に・・・
2022年 04月 05日
昨今の市販の2ウェイSPはローエンドモデルであっても驚くほど音離れはいい。小生がオーディオという趣味を始めた半世紀前にはビクターのSX-3というモデルがあり、名機とされたものだが、今聴けば、さすがという一面はあるものの、ずいぶん鈍重な感じがする。
とはいえ、チャンネル・デバイダーを使ってマルチチャンネルアンプにでもしない限り、音離れの良さと分割振動の少なさはトレードオフだと思っている。つまりフルレンジのバックロードホーンは音離れはいいが、分割振動が多い。市販の2ウェイは分割振動が少ないが、音離れは最高というわけにはいかない。これはネットワークのコイルがかむのでやむをえない。
ならチャンネル・デバイダーを使ってマルチチャンネルアンプすればいいではないかということになるが、SPの切換というのが困難になってしまう。スピーカー・システムは最終的に音決めされた製品(作品)だが、マルチチャンネルアンプで鳴らすSPは単なるバラックだ。やはりアンプ1台で鳴らすスピーカー・システムにはこだわりたい。これが当方の考え方だ。
これまでは、トータルではやっぱりメーカー製2ウェイのほうがフルレンジのバックロードホーンよりいいや、と思ってきた。クラシック党なので何よりも弦の再生が大切、背に腹は代えられない。ところが、今回真空管アンプで、バックロードホーンを鳴らすようになって逆転した。確かにフルレンジだから分割振動のにじみは感じるが、まあ許容範囲。音離れを勘案するとメーカー製2ウェイよりも上位に置かざるを得ない、ということになったわけだ。なお、バックロードホーンは自作のパッシブ・サブウーファやスーパーウーファーを使って別のアンプで低域を補強している。
真空管アンプはソフトンのModel8という300Bのローエンドモデルだ。実売価格は8万円ちょっと。これが結構スグレモノである。人によったら馬鹿にするかもしれない。製作者の善本氏も決して最高というわけではない、と断っておられた。しかし、普及価格帯の機器を使うのが当方の信条だし、現状は十分満足できるレベルにある。
あともう少し暗さや甘さが出せたらなおいいが、ケーブルの使いこなしで何とかなるかもしれない。しかし、音離れは多少後退するだろう。このあたりもトレードオフである。
by yoshisugimoto
| 2022-04-05 08:55
| オーディオ
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