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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

オーケストラ・トランスクリプション/ストコフスキー

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CDでは1曲目が何であるかということが大きなポイントで、それでその音源の命運が決まってしまうところがある。ストコフスキーのオーケストラ・トランスクリプションは「熊蜂の飛行」を1曲目に持ってきている。安直ではあるが愚かである。短期的な売り上げを考えれば、「熊蜂の飛行」はショーピースとしてわかりやすいと考えたのだろう。「熊蜂の飛行」なんぞどう考えても大した作品ではない。せいぜいが食後のデザートのアイスクリーム程度の存在だ。これが1曲目に来るものだから、音源全体のイメージがまる潰れである。長期的にはこの音源の価値すら毀損してしまっている。「熊蜂の飛行」なんぞ日ごろ聴こうとはだれも思わない。2曲目が耳タコの「月の光」で輪をかける。結果、持っているが聴くことがない音源の筆頭格だった。

リッピングに当たっては7曲目のセビーリャの聖体祭[アルベニスのイベリア 第1集、第3曲]が一曲目に来るようにしてみた。これだけで音源の印象がガラリと変わる。この音源に関してはプロデューサーの意向など一切尊重するに値しない。むしろ好きなように曲順を変えるべきだと思う。「熊蜂の飛行」「月の光」は一番最後でいい。

熊蜂の飛行~オーケストラ・トランスクリプション<期間生産限定盤> 1976年録音
レオポルド・ストコフスキー

01.熊蜂の飛行[歌劇「皇帝サルタンの物語」より]
02.月の光[「ベルガマスク組曲」、第3曲]
03.マズルカ 第17番 変ロ短調 作品24の4
04.グラナダの夕べ[「版画」、第2曲]
05.常動曲[8つの演奏会用カプリース作品5、第4曲]
06.ユモレスク[2つの小品作品10、第2曲]
07.セビーリャの聖体祭[イベリア 第1集、第3曲]
08.前奏曲 第14番 変ホ短調 作品34の14[24の前奏曲 作品34より]
09.歌劇「イワン雷帝」[歌劇「プスコフの娘」]:第3幕への前奏曲
10.前奏曲 第24番 ニ短調 作品28の24[24の前奏曲作品24より]

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by yoshisugimoto | 2022-02-27 08:03 | クラシック音楽CD | Comments(0)