ベイヌムの管弦楽のための映像

フィリップス・レーベルは５０年代初めに始まり、５０年以上続いたが、現在はデッカに吸収されてしまった。レーベルのピークは間違いなく７０年代で、優秀録音がメジロ押し、当時のRCAやDECCAを凌いでいたと思う。８０年代になってデジタル録音がはじまり、レーベルの音がなくなってしまった感がある。その最初期、モノラル時代のフィリップス録音は数は多くないがいいものも多い。その１枚。

ベイヌムの「海」や「夜想曲」は初期ステレオで収録された（１９５７）が、「管弦楽のための映像」はモノラル（１９５４）である。ＣＤではカップリングされてオマケ扱い（下）だが、昔は単独で出ていたらしい（上）。ステレオに肉薄する鮮度の良さで、ほとんど引けを取らない。フォルダを分けて単独で聴くとたいへん楽しめる。当時の米国発売元のエピックもジャケットは大変秀逸だ。

・ドビュッシー：夜想曲

　録音：1957年［ステレオ］

・ドビュッシー：交響詩『海』

　録音：1957年［ステレオ］

・ドビュッシー：管弦楽のための『映像』

　録音：1954年［モノラル］

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

エドゥアルト・ファン・ベイヌム（指揮）