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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

サヴァリッシュのシューマン交響曲

シューマンの交響曲は一応名作だが、相撲でいうと横綱や三役に匹敵する内容ではない。前頭の下の方という感じ。個性的ではあるのだが、傑出した強みがそれほどあるとはいえない。それでもさすがに十両ということはない気がする。オーケストレーションはいいとは言えず、ユニゾンで鳴る箇所が結構多い。交響曲としては軽量級の作品がそろっているが、味わいはやっぱりドイツ風だ。

曲想は4曲とも似通っているが、しいて言えば1番・3番がネアカ、2番・4番が根暗だ。個人的には根暗な2曲をより好む。シューマンは精神疾患のあった人で、根暗さはその反映かもしれないが、一面哀愁が濃いのもまた事実だ。

サヴァリッシュの演奏は旧東独のオケを使って、センス良く仕上げている。ティンパニの音が重く、くすんだような音が旧東独のオケの特徴だが、シューマンの交響曲とはよく合う。アメリカやイギリスのオケではこの味は出ないと思う。もう50年も前の録音だが、未だに代表盤で古くならない。シューマンの交響曲は録音が古くても新しくても大して変わらないのである。LP時代は3枚組で出たが、CD時代は2枚でOK。しかし、LP仕様のほうが鑑賞はより楽しめる。

サヴァリッシュのシューマン交響曲_b0109511_13165579.jpgサヴァリッシュのシューマン交響曲_b0109511_13165974.jpgサヴァリッシュのシューマン交響曲_b0109511_13165241.jpg

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by yoshisugimoto | 2022-02-14 13:22 | クラシック音楽CD | Comments(0)