モンクス・ドリーム
2022年 02月 08日
40~50年代のモンクは他のジャズ・ジャイアントとの他流試合が主体だ。これに対し60年代はすでに名声を確立し、気心の知れた仲間との共演が主体となる。どちらもいいのだが、当然、ジャズ・ジャイアントとの他流試合のほうが聴きどころが多い。これがモンクの名盤が50年代後半に集中している理由といっていいだろう。CBS盤よりリバーサイド盤が取り上げられるのはそのためだ。CBSはモンクを獲得したものの、ロックスター並みの人気が出るはずもなく、期待外れだったということである。
この音源は1962年のモンクで、CBS移籍第一作となる。サイドメンは例によってチャーリー・ラウズ他の面々。モンクは後年、双極性障害(俗にいう躁鬱)が悪化するのだが、このころはまだ良かったようで、モンク節は好調。バッド・パウエルはそのスタイルを継承するピアニストが数多く現れた。穐吉敏子もその一人だ。モンクにはそうした継承者は現れず、今もってワンアンドオンリーである。奇しくもどちらも精神疾患で苦しんだことになる。天才の宿命だったか。
Personnel
Thelonious Monk – piano
Charlie Rouse – tenor saxophone
John Ore – bass
Frankie Dunlop – drums
by yoshisugimoto
| 2022-02-08 09:11
| ジャズ
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