スピーカー・ケーブルのコスパ
2021年 09月 28日

某メーカーのアンプの技術者の方が、「オーディオ・アクセサリーはコスパが良くない」と言われていたのを以前聞いたことがある。たとえばスピーカー・ケーブルだが、高いものが必ずしもいいわけではなく、安いものが必ずしもダメなわけでもない。適材適所かどうかでも効果は多いに違ってくる。ケーブルは交換して一聴良くなったように感じても、実は聴き疲れがするとか、堂々巡りをすることも多い。不確実なことが多く、費用対効果の見返りは保証がない。ひと言でいえばコスパは良くないというしかないと思う。
長岡さんはメーカー製のケーブルはチリチリするというのみで、自身は強電用キャブタイヤケーブルを使って、ケーブルの論評をほとんどしなかった。推奨していた5.5スケのキャブタイヤは大味だがマイルド、低音はよく出るので当方も長年使ってきた。価格もメーター400円程度で、コスパもいい。
しかし、キャブタイヤケーブルを使うのもついに終わりを迎えることになった。中古入手したモンスターケーブルのM1(8スケ弱ありそうだ)のほうがより低音が出るし、中高音もずっと高品位。フルレンジの分割振動も耳につかないよう巧みに鳴らしてしまう。中古だからメーター1000円程度だったが、アンプを交換したぐらいのインパクトがあった。コスパも極めていいというしかない。気にいったので、スピーカー3組ともすべてM1に更新した。
なんでケーブルくらいで、アンプを交換したぐらいのインパクトがあるのだろうか。思うに、昔はフロントエンド、アンプ、スピーカーとそれぞれのグレードが低く、刺激音も出たので、マイルドなキャブタイヤケーブルでバランスを取るしかなかった。つまり高価なオーディオ・アクセサリーを使っても生かし切れなかったんだろうと思う。しかし、今は全体のグレードが上がった結果、敏感に反応したのではないかと感じている。
といってもM1も10年以上前の製品で、当時メーター8000円ほどだったらしい。これを最新の高級ケーブルと交換したら、もっと良くなるだろうか。仮によくなるとしても、コスパはどうだろうか、と考えるといろいろ疑問符がつく。やっぱりスピーカー・ケーブルはあまりコスパの馴染まないアイテムなのだろう。あまり深入りしないほうがよさそうだと思っている。
by yoshisugimoto
| 2021-09-28 13:36
| オーディオ
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