フルトヴェングラーのレオノーレ序曲第2番
2021年 09月 28日

レオノーレ序曲第2番は、ベートーヴェンの唯一の歌劇、『フィデリオ』が初演された際に序曲として用いられた。後に『フィデリオ』が改訂された際、新たに作曲された現行の『フィデリオ』序曲に差し替えられた。その後、この序曲は演奏会用序曲として単独で演奏されるようになったが、『レオノーレ』序曲第3番と比べるとあまり演奏される機会がない。しかし、2番は3番に優るとも劣らない傑作だと思う。
この曲は1954年録音のフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの音源が最高だ。フルトヴェングラーは個人的にはそう好んで聴く指揮者ではないが、この演奏は問答無用の凄演。とにかくオケを煽りまくっている演奏で、途中に長い休止がある。これが息詰まる展開を実現している。録音もフルトヴェングラーとしてはベストの一角に挙げられる。この録音はだいたい他の曲の余白のオマケ扱いで、常に頭出しが必要なのが不満だった。
例外的に上のLPはベートーヴェンの序曲だけで構成され、レオノーレ序曲第2番がトップにきているが、こうあるべきだ。PCオーディオではジャケット写真を差し替えて、このLPと同じ曲順で聴けるようにしている。
by yoshisugimoto
| 2021-09-28 05:18
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