フリッツ・ライナー
2021年 04月 15日
フリッツ・ライナーは芸術家特有の苛烈な性格で、周囲と衝突する傾向があった。そのためポストに恵まれず、シカゴ響の常任指揮者になれたのは1953年、65歳のとき。亡くなったのは1963年だがら、ちょうど10年間オケに君臨していたわけだ。この間主要な名曲はあらかた録音、それがリビング・ステレオのRCAだったので、今でも十分に通用する。本人はヘビー・スモーカーで心臓病の持病があり、体調は必ずしもよくなかったのだろうが、晩年に極めていい仕事をしている。録音の質・量ともたいへんなものだ。当方、ライナーの録音はあらかたそろってしまった。名盤は数えきれないが、バルトークの録音は作曲者との親交もあったので格別の説得力がある。
下はライナーがセルフタイマーで撮ったバルトークとの記念撮影。目力(めぢから)の強さに驚かされる。この眼光があったから、指揮棒をそれほど振らなくても究極のオケ・コントロールが実現したのだろう。高齢で持病もあったとなると、どうしても目で指揮をすることになったのではないか。これがかえって奏功したのかもしれない。
by yoshisugimoto
| 2021-04-15 12:48
| クラシック音楽CD
|
Comments(0)