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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

デュアル・コンセントリック

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タンノイのデュアル・コンセントリック方式は長年のあこがれだった。その昔、五味さんがオートグラフを使っていて、歴史と伝統ある方式。クロスが比較的低いのもいい。15インチや12インチで1kHz、最も小さいオートグラフミニでも2kHz。フルレンジのスーパーTWを載せたものとは中高音の質が違う。当方は入手したのはファイン・オーディオの16cmユニットを使ったもの。クロスは1.7kHz。タンノイではないが、タンノイにいた技術者がスピンアウトしてできたブランドなので、タンノイと同列に考えていいだろう。たいへんよくできている。

と思ってきたが、最近なんとなく違和感を感じ始めたのが事実だ。中高音の切れ味はホーン型なので、非の打ちどころはない。しかし、ウーファー部はコイルを通った重めの振動板であり、音の立ち上がりは異なる。結果それがメリハリ感となる。一般ユーザーには十分アピールする音なのだが、生の音とは異なる。生の音にはクロスはないのでこうしたメリハリ感はない。これはTWにドーム型を使った同軸スピーカーとは違った傾向だ。メリハリ感といえば、分割振動で鳴るフルレンジもそうなのだが、こちらはネットワークがなく音の立ち上がりはそろっている。その意味ではフルレンジのメリハリ感とも異なる。F特はフラットでも、分割振動は減らせても、結局つながりに難があって音がそろいにくいということだと思う。

広帯域ホーンTWとウーファーのつながりはうまくつくってもなかなか難しいものようだ。むしろドーム型のほうがうまくつながる。音をそろえやすいからだろう。広帯域ホーンTWを使った商品は多くない。現行ではJBL、タンノイ、ジンガリくらいだが、たぶんうまくつなげるのが難しいからではないかと想像する。


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by yoshisugimoto | 2020-09-16 09:31 | オーディオ | Comments(0)