アルヘンタの「幻想交響曲」

1973～74年ころ、オーディオ雑誌（ステレオ芸術だったと思う）で名盤特集があり、加藤秀夫氏が推薦盤を挙げておられた。それがアルヘンタ・パリ音楽院管弦楽団の幻想交響曲だった。この音源は1957年の録音で、発売当時のことは知らないが、1974年ごろキングレコードの廉価盤で出た後ずっと廃盤、２０世紀も末になってデッカから再発されている。当然入手したが、デッカの初期ステレオの音で、弦はやや金属的、推薦盤にするような要素は聴き当らない。ＣＤのマスタリングが悪いのかとも考えたが、まぁこんなものだろう。これがそのモノラル装置でよく聴こえたわけだ。そういうことを念頭に置いて、この音源は折に触れ再生している。

アルヘンタの「幻想交響曲」を推薦盤にしたということは、昨今と相当時代背景も違うということだろう。そうした時代背景あってのモノラル装置なんだと思わざるを得ない。