６つの古代碑銘

もともとはドビュッシーの友人の詩集『ビリティスの歌』の朗読を伴奏するための付随音楽として書かれたもの。これは演奏されず、のちにピアノ連弾曲として完成した。最後に指揮者アンセルメにより管弦楽に編曲されている。映画で『ビリティス』というのがあったが、これは『ビリティスの歌』が女性の同性愛を描いた詩集であったことに由来する。ま、いろいろややこしい。『６つの古代碑銘』＝『ビリティスの歌』というのを知っておけばいいだろう。

アンセルメの編曲であろうと、ドビュッシーの管弦楽曲が１つ増えることは大歓迎。普通『６つの古代碑銘』はドビュッシーの管弦楽曲全集に入っていない。そこでアンセルメの音源を買い増しすることになる。他にパイヤールの録音とかあるが、やはりここは編曲者の録音が決定盤だろう。ただし1953年のモノラル録音。

1.夏の風の神、パンに祈るために / "Pour invoquer Pan, dieu du vent d'ete"

2.無名の墓のために / "Pour un tombeau sans nom"

3.夜が幸いであるために / "Pour que la nuit soit propice"

4.カスタネットを持つ舞姫のために / "Pour la danseuse aux crotales"

5.エジプト女のために / "Pour l'Egyptienne"

6.朝の雨に感謝するために / "Pour remercier la pluie au matin"