「恋する乙女」
2020年 01月 26日

作曲年は各種の文献情報から1796年から1977年にかけてであろうと推定される。作品2の3曲(第1番、第2番、第3番)と比べて規模と内容の両面に格段の進歩が見られ、長さの面ではベートーヴェンの全32曲のピアノソナタの中でも第29番(ハンマークラヴィーア)に次ぐ大作となった。カール・ツェルニーは「熱情」と愛称で呼ばれるべきは第23番ではなくこのソナタではないかと述べている。
曲は1797年10月にウィーンのアルタリアから出版され、ハンガリー出身のケグレヴィチ伯爵令嬢バルバラへと献呈された。バルバラは当時ベートーヴェンにピアノを習っており、近所に居住していたバルバラのレッスンのためにベートーヴェンは寝起きそのままの姿でケグレヴィチ邸を訪れることもあったという。ピアノの卓越した腕前を持ち作曲者と恋愛関係にあったとされることもある彼女は、他にもピアノ協奏曲第1番など複数の作品の献呈を受けている。出版当時、曲は惚れ込んだ女性を意味する「Die Verliebte」という愛称で呼ばれたこともあったが、現実の人間関係がこの呼称の背景にあるわけでないと考えられている。(以上 Wikipedia)
何も知らずに聴けば、この曲は単にベートーヴェン初期の作品ということだけなのだが、予想外の「大曲」なのである。昔から1971年録音のミケランジェリ盤が圧倒的名盤とされているようだ。LP時代は30分ほどの曲なのに、これ1曲で発売された。今は他の曲と抱き合わせ(下)で出ているが、やっぱりオリジナルLPを眺めて聴かなければ始まらない。

by yoshisugimoto
| 2020-01-26 06:57
| クラシック音楽CD
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