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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

アップコンバート機能

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CDの音はLPに比べて良くない、というのがマニア筋の意見だ。故江川氏などは「CDの音は無機的」と言っていた。CDの音はジリパチがなくてクリアなのだが、どうもキツい。それはずっと小生も感じてきたことである。そのキツさを解消するために、真空管アンプやハーモネーター、非可聴域スーパーツィータ等を使い、ケーブルをあれこれ取り替えて悪戦苦闘してきたわけだ。それでも音の滑らかさではLPを超えるまでには至っていないというのが実感である。

今回入手したDACのUD-505ではアップコンバート機能として、2×Fs/4×Fs/8×Fs、DSD256/DSD512のアップサンプリングが行なえる。2×Fsとはここでは元の周波数の2倍のサンプリング周波数に変換することを示す。DSD256は、サンプリング周波数でいうとDSD 11.2MHzに相当する。ちなみにSACDで採用されたDSD 2.8MHzのことをDSD64とも呼ぶが、これはCDのサンプリング周波数を64倍しているという意味(44.1×64=2822.4)。

こうしたサンプリング周波数の変換は、計算によるものなので原理的には情報量が増えるとか、本来あるべき音を復元するというものではない。しかし、音は変わる。2×Fsから4×Fs、8×Fsへと高めていくほどに出音のエッジがやや丸くなる感触になる。アナログ的になるわけだ。DSD256やDSD512となると、よりしっとりとした感じになる。クラシックにはいいが、ジャズにはおとなし過ぎる感じもある。

とにかく、真空管アンプに頼らなくても、アナログ的な音が出せるようになったのはありがたい。以前使っていたCapriceと比べるとDACの能力が画期的に向上したというほどではないのだが、アップコンバート機能でついにCDのキツさを解消できたことは大きい。ついにCDもここまで来たという感じである。DSD変換もついこの間まではバッチで行う必要があったのだが、今はリアルタイムでできる。技術の進歩というしかない。

DSD512にDSD変換したwavは確かに鳴り方がまるで違う。疑似DSDなので、一種のプロセッサーなのだが、DSDの雰囲気が出る。気に入ったので暫くこれで鳴らしてみることにする。
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by yoshisugimoto | 2019-04-07 00:20 | オーディオ | Comments(0)