ラヴェル：道化師の朝の歌、スペイン狂詩曲 チェリビダッケ

「道化師の朝の歌」は小生が高校生のころ（７０年代半ば）、エアチェックしたものを繰り返し聴いた記憶がある。チェリビダッケの演奏はほかの指揮者とまるでちがうな、と思ったものだが、今聴いても同じ思いだ。オンリーワンの巨匠である。放送録音なのだが、DGのスタジオ録音ではないから自然な音がする。

精神性というよりはワザの巨匠で、弟子とか後継者はついに育たなかった。好き嫌いはある。絶賛する人がいれば、批判する人もいる。個人的には一目置くが、心酔しているというほどではない。しかし、演奏で何かやらかしているという期待感は裏切られたことがない。最近の人なので音源の録音はどれも良好なのはありがたい。吊りマイクのライブ録音なので、明瞭さは一歩後退するが、ホールトーンを多めに捉えた音とライブの高揚感が混然一体となっており、それがこの指揮者の魅力だ。

1. Iberia, 'Images' pour orchestre no. 2: 1. Par les rues et par les chemins. Assez anime
2. Iberia, 'Images' pour orchestre no. 2: 2. Les parfums de la nuit. Lent et reveur
3. Iberia, 'Images' pour orchestre no. 2: Le matin d'un jour de fete. Dans un rythme de Marche lointaine, alerte et joyeuse
4. Alborada del gracioso: Assez vif
5. Rapsodie espagnole: 1. Prelude a la nuit. Tres modere
6. Rapsodie espagnole: 2. Malaguena. Assez vif
7. Rapsodie espagnole: 3. Habanera. Assez lent et d'un rythme las
8. Rapsodie espagnole: 4. Feria. Assez anime