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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

フロア型スピーカーは終焉か

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現代オーディオスピーカー市場をながめると、昔のように30~38cmの大口径ウーファーを搭載したモデルはごく少数だ。ウーファーは小口径が常識。大きくても20cmまでで、12~16cmあたりが主流のようだ。バッフル幅が狭いほうが音場再生に有利だし、ウーファーは小さいほうが低音は軽い。

巨視的に見れば、市場は基本2ウェイのブックシェルフ型とそのブックシェルフ型にウーファーをプラスしたトールボーイ型に二分されていると言える。ブックシェルフ型に低音を足すのが音質的に有利なのだろう。たとえばアルテックのA7は、クロス500Hzでホーン・ドライバーと38cmウーファーをついでいるが、PA用ならともかく、家庭用には問題が出やすいに違いない。ボーカル帯域で全く異質な振動板でクロスしている。タンノイのオートグラフも1000Hzでホーン・ドライバーと38cmウーファーをつないでいるが、ずいぶんと癖の多い音だ。

ブックシェルフ型にウーファーを追加して筐体を大きくするなら、ウーファーの筐体を分けてもいいし、ウーファーは正面でなく横向きでもいいと思う。横向きにすればウーファーから漏れてくる中高音も耳に入りにくい。ウーファーの筐体を分けるのはクロスが100~150HzならOK。このクロスだとボーカル帯域に影響が出ない。しかし500Hzとかでは不可だ。また市販のサブウーファーは別筐体に分かれているが、これは低音が重過ぎて不可である。あくまでボーカル帯域も十分な音質で再生できるフルレンジかウーファーを別筐体に分ける必要がある。

ウーファーの筐体を分けておけば、小型のブックシェルフ部を差し替えるだけで簡単にスピーカーをすげ替えることができる。いろいろスピーカーを取り替えて聴きたい人にはウーファーの筐体を分けておくのがいい。今の小生はそう考えている。スピーカーの自作だって、要は低音を出すための箱の製作が大部分を占める。しかし、ウーファー部が別筐体ですでにあるなら、低音は出なくてもいいわけだから、箱もコンパクトになり、作るのも簡単で場所も取らない。その意味で従来型のフロア型スピーカーは終焉を迎えつつあるのではないかと思っている。
フロア型スピーカーは終焉か_b0109511_15255663.jpg
たとえば、ソナス・ファーベルのフィニーチェだが、

外形寸法
幅525mm(キャビネットのみ)・747mm(脚部含む)
高さ1588mm(キャビネットのみ)・1713mm(脚部含む)
奥行782mm(キャビネットのみ)・751mm(脚部のみ)

という巨大なものだ。こんな巨大なものをつくるより、ブックシェルフ・ウーファー部・サブウーファー部に分割するほうが、設置や運搬に断然有利で合理的なはずだ。ただし分割してしまうと高くは売れないので、ビジネスとしては旨くないに違いない。
Commented by 杉ちゃん at 2018-06-22 19:14 x
小生もオーディオ断舎離を決行した後、導入したのはブックシェルフ型パワードSP(RCF Ayar5)です。
これならPowerAmpも不要、適正なマッチングでAmp内臓で、しかもマルチアンプ方式で音がよろしい。
Wが12cmですが低域は不足無しですね。(身体で受け止めるような低音は無理ですが・・・・)
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by yoshisugimoto | 2018-06-22 06:45 | オーディオ | Comments(1)