ストコフスキーのハチャトリアン交響曲3番
2016年 09月 29日

試しにストコフスキー盤も入手してみたが、これは聴いて驚いた。こちらは正気にしてむしろ叙情的な演奏である。テンポもゆっくり、演奏時間もやや長めで、チェクナヴォリアン盤の21分に対して23分ある。オケも極限まで咆哮させないので、楽器の使い方や音色もよくわかる。加えて、一世代前のマルチマイク録音で、ホール感はないが、各楽器をモレなく録っているので、音楽としても理解しやすい。
ストコフスキー盤によって、この曲の新しい側面をみせつけられた思いである。ストコフスキーは外面的なハッタリかました演奏をする指揮者と思っていた。もちろんこの演奏もそうなのだが、解釈や表現力はさすがに素晴らしい。巨匠だけのことはある。認識を新たにした。
もっとも、この曲を米国初演したのはストコフスキーで、最初に発売されたのもこの音源だ。しかし、ネットでの評価は高くない。小生の感覚がおかしいのか?そうは思えない。この曲を理解するうえで、ストコフスキーの録音は必聴と思う。ロシア系の爆演はいずれもストコフスキーの後なのだ。
なお、XRCDでも出ており、かなり有名な音源でもあるらしい。

by yoshisugimoto
| 2016-09-29 06:46
| クラシック音楽CD
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