クレンペラーの57年第九ライブ
2016年 09月 28日

1957年の録音としては異様に生々しい。冒頭の拍手からして違う。技師にクリストファー・パーカーの名があるので、EMI系の録音なのだが、EMIにありがちな平面的な感じは全くない。立体的に音が立っている。
これはクレンペラーの指揮とも無縁ではない。後年のクレンペラーは演奏は巨大でもリズムは重い傾向があるのだが、この演奏は若々しくリズムにも切れがある。結果的にティンパニの音も良く録れている。合唱は、バイロイトからピッツを招聘して鍛えたとのことで、こちらもさすがである。
唯一の難点は4楽章後半冒頭のグランカッサの音が弱いことである。古いトスカニーニ盤でもここは風圧が来る。
スタジオ盤は同じ陣容でこの後すぐに録りなおしたそうだ。スタジオ盤も入手したが、こちらの存在意義は低い。第九はいろいろ名盤があるが、この録音をベストに推す人も多いに違いない。
Symphonie n°9 Op.125 avec solistes & chorus / Aase Nordmo-Lovberg, soprano - Christa Ludwig, contralto - Waldemar Kmentt, ténor - Hans Hotter, basse - Philharmonia Chorus - Philharmonia Orchestra - Dir. Otto Klemperer
by yoshisugimoto
| 2016-09-28 06:52
| クラシック音楽CD
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