『オーディオ風土記』田中伊佐資著
2015年 07月 16日
オーディオは趣味の世界なので、どういうスタンスで取り組もうと本人の勝手である。巨大な装置からラジオみたいな音しか出ていなくても、それは他人がとやかく言う筋合いはない。しかし、私個人の考え方からすれば、オーディオはあくまで音楽を聴く「道具」である。道具自体が目的化したような装置や部屋には共感できない。
オーディオ名器の某コレクターのお宅を訪問したことがあったが、たいした音は出ていなかった。狭い部屋に何システムも詰め込んでいるので当然である。鳴らしてくれたのだが、都度都度アンプのスイッチを入れる。「この人、何もわかってへんな」が本音である。オーディオ機器は数時間のランニングが必要だ。そんなことでは人に聴かせるような音が出るはずがない。馬脚は容易に現れるのである。
本気でオーディオするのなら、一部屋一装置が基本だと思う。その意味で好感を持てるのは、シンプルな装置、すっきりした部屋である。それからすると、掲載事例のなかで、個人的に好感のもてるマニアは絞られてくる。私自身の経験からいえば、オーディオはシンプルな装置、すっきりした部屋が一番生き生きとした音を再生するものなのだ。
あと、本人のライフスタイルとの関連もある。人間、そう何軒も家はいらないし、そう何台もクルマはいらないし、そう何台もオーディオ機器も必要ないはずである。住まない家、乗らない車、使わない機器は劣化を続ける。そこがわかれば、手持ちの機器は少しでいいはずだ。シンプルなライフスタイルほど、部屋もオーディオもすっきりするのだと思う。はやりの断捨離である。
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雪まるだ
at 2015-07-16 09:31
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自分はその本を買って田中伊佐資さんにサインしていただきました。どーもすいません(爆)
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yoshisugimoto at 2015-07-16 12:39
著者サインは業者買取に出すと低価格の理由になります。トホホです。秋吉敏子のサイン入りCDをただみたいな価格で入手したことがあります。
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雪まるだ
at 2015-07-17 01:34
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まぁ売るつもりは毛頭ないので大丈夫。サインの際には番号がかかれたので田中さんに質問しましたら、誰にサインしたのか忘れちゃうから手帳に控えてわかるように管理しているとの事。田中さんはそういう方ですよ。
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京都人
at 2015-07-18 20:23
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うちも元々はシンプルだったのですよ。9つの部屋に分散してセットを組んでいましたので。
移転して2つの部屋に集めたので大変な状況になってしまいましたが・・・。
ただ、良い製品がゴミのような値段で出品されているのを見ると、何か勿体無いような気がして誰か好きな人に譲ってあげたい気持ちでついつい確保したくなるのは悪い癖だと反省しております。
移転して2つの部屋に集めたので大変な状況になってしまいましたが・・・。
ただ、良い製品がゴミのような値段で出品されているのを見ると、何か勿体無いような気がして誰か好きな人に譲ってあげたい気持ちでついつい確保したくなるのは悪い癖だと反省しております。
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yoshisugimoto at 2015-07-18 21:17
京都人さんは市販の製品を自分の部屋で実際に使用するというコンセプトでオーディオに取り組まれており、それはそれで敬意を表します。また、マルチチャンネルアンプなどには手を出さず、個々の構成は十分シンプルだと理解しております。
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杉ちゃん
at 2015-07-29 23:30
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最近、左耳が感度低下(難聴)になり、ステレオで聴くのが
苦痛(アンバランスに聴こえる)になり、モノラルで聴いております。意外やステレオよりモノラルの方が中身が充実しているんですねぇ~。ステレオのように立体音で誤魔化せないだけに、音質等に注意を払って録音しており、聴いていて装置のグレードが上がったような気がします。
苦痛(アンバランスに聴こえる)になり、モノラルで聴いております。意外やステレオよりモノラルの方が中身が充実しているんですねぇ~。ステレオのように立体音で誤魔化せないだけに、音質等に注意を払って録音しており、聴いていて装置のグレードが上がったような気がします。
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yoshisugimoto at 2015-07-30 13:23
それはたいへんですね。個人的にはモノラルのほうが好きです。CDもモノラル録音を喜んで買っています。
by yoshisugimoto
| 2015-07-16 07:37
| オーディオ
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Comments(7)