ぼくのオーディオジコマン開陳 (P-Vine Books)
2015年 01月 14日

オーディオを愛好する人は大きく2つに分かれるようだ。専用ルームに装置を入れてそこに籠ろうという人と、生活空間にオーディオ装置を同居させたい、という人だ。一見似ているようだが、アプローチはかなり異なる。
この本に登場するマニアはその多くが前者だ。JBLのダブルウーファーズという会があるらしい。なかには4350を2段積み(上段は反転しているが)している人もいる。これは明らかに前者の発想である。
面で迫る音を好むのも前者の特徴だ。当然音源はジャズが多い。ジャズは極端な話、音場感・ステージ感は関係ない。それよりも眼前の演奏を髣髴させる大音量再生が大切である。
しかし、私は後者である。オーディオルームにこもってエクスタシーに浸るよりは、むしろパソコンでネットを見ながら音楽を聴きたい。本を読みながら音楽を聴きたい。当然朝起きた直後から、夜寝る直前まで在宅中は音楽は鳴らしたい。同時進行でやらないと、時間が取れないのである。その上で、できればコンサートホールの生を髣髴させるいい音で聴きたい、ということになる。
たまに音量を上げて聴くことはあっても、基本音量は絞り気味だ。どちらかというと大音量よりはステージ感に喜びを見出すのである。コンサートホールの2階席で聴くオケは結構常識的な音量で、そんなに大音量ではない。
CDは一回聴いただけで理解できるものではない。何度も繰り返し聴いて初めて理解できるものである。まず音楽を流さなければならない。そのたびにガレージもどきの密室になんぞに籠っていられない、というのが私の偽らざる気持ちである。
また、家族ともそれなりにマッチングをとるべきだ。一家のオヤジが大音量を出して、密室に籠っていれば、それは暗に家族とのコミュニケーションを拒絶する意思表示である。基本個室にいるにしても、適当に家族とも話をしてしかるべきだ。うちの娘など、「門前の小僧」で音大に行き、アマオケで弾いている。
ま、このあたりは個人のスタイルで、誰に強制するものでもされるものでもないが、私はこの本に登場するお歴々をうらやましいとは思わない。もちろん逆も然りに違いない。
ぼくのオーディオジコマン開陳 ドスンと来るサウンドを求めて全国探訪 (P-Vine Books) 単行本 – 2010/4/16
田中伊佐資 (著)
by yoshisugimoto
| 2015-01-14 13:26
| オーディオ
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