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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオのブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto
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スケール感とは(2)

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長岡さんのバックロードホーンはD7MKIIを1984年から10年ほど使った。ペアを組んだのは18KH01というテクニクスの広帯域ハードドームTWで、能率は94dBと低かったが、5μFでパラったのにハイ上がりにならず、全体としてはハイ落ちの音だったと思うが、案外この使い方がベストだったかもしれない。中高音も十分繊細感があったし、面で迫るスケール感という点では、大抵の市販品に負けると思ったことがない。現用の装置でも、この鳴りの良さには勝てないと思う。ただし、結婚してマンションに転居したので、D7MKIIは大きすぎて持て余すことになる。

このコンビは1994年になって20cm一発のD55とT925にリプレースするが、低音が出なくなり、音がきつくなっただけで良くなったという感じはなかった。長岡さんの作品にはD9というさらに大型のバックロードホーンがあり、実際に聴いた人はこのスピーカーこそ最高、D55以降の作品は低音が出なくてかえって悪くなったという。私もこの見解に同意する。写真はネットで探してきたD9の製作記事である。

D55はその後破棄し、それからはスワンもどきの10cm自作バックロードホーンを使っていた。フォステクスのESコーンは従来よりも高品位な音が出た。これに自作ASWを組み合わせた。そしてスーパーステレオのサラウンドも追加した。下は自作ASWの開口部の写真である。6畳だからと割り切って、小口径フルレンジこそベストと信じて、そうしたちまちました自作オーディオをやっていたわけである。当然かなり長岡教にはまっていた、と告白しておこう。
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さて、1999年ころだった思うが、神戸三宮の星電社本店のオーディオ売り場で、B&Wのノーチラス801を聴く機会があった。
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たしかSACDをかけていたと思うが、これには圧倒された。低域の伸びと厚みは聴いたことがない。市販品にはありえないピラミッドバランスだった。中高域も歪なく高品位、スケール感ということでは、実演に引けをとらない。我が家の自作スピーカーとはレベルが違い過ぎる。スワンもどきなど鎧袖一触、話にもならない。それからはこの再生音が目標となった。

スケール感とは(2)_b0109511_832650.gif私の6畳でこの音を再生するにはどうするべきか。まず、フォステクスの紙臭い小口径フルレンジでは、こうした高品位な中高音や低音は無理と言わざるをえない。これは20cmに回帰する必要があると直感した。

そこで、フルレンジからメーカー製に宗旨換えした。その結果、手に入れたのが現用のSX-V7である。自作ASWとサラウンドも引き継いだのだが、簡単には「ノーチラス801でSACDを聴いたような音」にはならなかった。

その後、トランスポートを変え、アンプも変え、DACも変え、ケーブルも遍歴した。苦節十数年で、現在も進行中だが、今ではCDで「ノーチラス801でSACDを聴いたような音」に肉薄する音が出ていると思っている。低音の風圧という意味では、SX-V7はノーチラス801には敵わない。しかし、自作ASWも併用しているので、低音の伸びはノーチラス801には負けないと思う。その結果、近似的にスケール感も再生されるのである。

我が家の6畳にノーチラス801を物理的に持ち込めないことはないが、うまくは鳴らないと思う。6畳でうまくステージ感を再現するには、バッフルの幅が狭いことがポイントだ。その意味ではSX-V7が正解だと思う。
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by yoshisugimoto | 2015-01-08 08:28 | オーディオ | Comments(0)