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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

ジャズ向き・クラシック向き

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スピーカーは昔からジャズ向き・クラシック向きに分類される。真に優秀なスピーカーはオールマイティ、それは確かにそうなのだが、GOTOユニットでも使わないかぎり、難しいと思う。一般のユニットはまだまだ得意不得意、合う合わないがあるのだ。たとえば、ジャズはシンバルが透明感を持って鳴って欲しい。しかし、その音作りでクラシックの弦楽器を聴くとちょっとうるさい。やっぱり弦楽器にはソフト・ドームがいい。しかし、ソフト・ドームではジャズのシンバルは物足りない。

ある意味、完全にニュートラルなスピーカーは中途半端とも言える。弦の音はもっとしたたるように鳴って欲しい、シンバルの音はもっと透き通るように鳴って欲しい思うのが音楽ファンというものだ。音楽はそれに合ったスピーカーで鳴らす、それが最適な選択ではないだろうか。それともニュートラルなスピーカーで我慢すべきなのだろうか。人それぞれだが、私は合ったスピーカーで鳴らすほうが断然楽しい、と考えている。

ジャズ喫茶ベーシーの音は有名だ。私はまだ訪れたことはないが、そこまでいい音ならおそらく、ジャズの録音に合うように調整された音に違いない。それは、クラシックの弦楽器を聴くのにベストの選択肢ではないと思う。実際にベーシーに行ったわけでもないから、わかったようなことを言うのははばかられるが、これまでのオーディオ体験から、それ以外に考えられないのである。

ということで、我が家ではジャズにはエラック、クラシックにはビクターと切り替えて使い分けている。ただし、パッシブ・ウーファーと非可聴域のトゥイーターは共用させている。これはネットワーク方式だからできることでもある。

オーディオはやっぱり妥協の産物なのだ。GOTOユニットとマルチ・チャンネル・アンプで究極を目指すというなら、それもいいが、スピーカーを切り替えて気分を変えるという楽しみは味わえない。

ただし、切り替えるスピーカーの魅力が拮抗していないと、結局はどちらかしか鳴らさない、ということになってしまう。私の場合、クラシックを聴く割合が圧倒的に高いから、ビクターを聴くことが多いが、ジャズを聴くときは迷わずエラックに切り替える。JETトゥイーターで出すシンバルは圧倒的にソフトドームに差をつけるからだ。

追記:
2015年2月5日から、電源部・増幅部ともにSICMOSのオールSICMOSアンプを使い始めた。その結果、ジャズでもクラシックでも同じスピーカーで問題ないことがわかった。アンプの問題であったとは驚きである。従来のトランジスタアンプ・真空管アンプを使う限り、ジャズ向き・クラシック向きの問題は基本的には解消しないが、SICMOSアンプを使うと解決する。
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by yoshisugimoto | 2014-06-14 08:11 | オーディオ | Comments(0)