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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

パトリシアン考

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エレクトロボイスの昔のSPにパトリシアンとかジョージアンというトップエンドモデルがあった。上左はジョージアン、上右がパトリシアンII、下がパトリシアン800である。ジョージアンは前面に46cmウーファー、パトリシアンは後面に76cmウーファーがそれぞれサブウーファーとして配置されている。

つまるところ、どのSPも30cm2ウェイもしくは3ウェイにサブウーファーを足しただけである。それなら、一体構造にしないで、サブウーファーを別置きにしたほうがいい。バッフルが大きくなるので、ステージ感の再生に不利だからだ。

サブウーファーも46cmとか76cmが本当に必要なのだろうか。過日、知人が30cmウーファーでFd=30Hzの左右合成タンデム型のASWを製作した。この威力は凄い。怒涛の低音再生能力である。30cm3ウェイと余裕で能率が合ったし、これで何一つ不足はないと感じた。

今となってはパトリシアンみたいなスピーカーは古い、というのが衆目の一致するところであろう。

パトリシアン考_b0109511_1331798.jpgところで、パトリシアンにもパトリシアン600というのがある。これは200~600Hzに折り返し型の中低音ドライバーを使っている。その代わり、低音ウーファーは76cmではなく46cmで、クリプッシュのコーナーホーンが前面に来る。中低音のドライバーはYL・ゴトー・エール音響くらいしかないことを考えれば、たいへん珍しい機種である。写真では並べて置かれているが、実際はコーナーに配置する。
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写真に見られるように2本の中低音ドライバーが後方に音を放射し、後面の疑似ホーンがさらに前面に音を放射する構造となっている。物理学的には疑問の残る方式だ。パトリシアン600はオーディオ評論家の山中氏が90年代初めまでメインシステムで使っていたが、後年JBLのM9500やチェロのストラッドグランドマスターに変わった。折り返しの中低音ドライバーの癖が耳につき始めたのではないかと思っている。

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by yoshisugimoto | 2014-01-21 13:08 | オーディオ | Comments(0)