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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

リスニングルームという矛盾

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音量が出せて遮音のいいリスニングルームはオーディオ・マニアの夢と考えられている。確かにオーディオの音は部屋で決まる面も大きい。

しかし、リスニングルームの質以上に大切な問題がある。そのリスニングルームで週何時間過ごせるのか、ということ。せっかくリスニングルームをつくって、高価な装置を入れたとしても、たまにしかこもることができないとしたら、リスニングルームの価値は実質半減していると言わざるを得ない。

それに音楽を聴きながら、活字を読んだりパソコンを使ったりしたい。時間を有効活用しようとすればどうしても、そうせざるを得ない。リスニングルームでそれができるのなら問題ないが、本やパソコンは別室という人が大半ではないだろうか。そう考えると、リビングとか自分の勉強部屋とか、日ごろ自分が寝起きする場所にオーディオ装置をうまく設置するのが賢明だと思う。

写真のようなホールみたいなリスニングルームは確かにすごいが、採光などを考慮すると、あまり居心地のいい空間とも思えず、冷暖房の効きが悪そうなうえに、掃除も大変そうで、デメリットも大きいと思う。一家のオヤジがこんなところにこもってばかりでは、家族とのコミュニケーションも取りにくいに違いない。
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有名な長岡さんの方舟も主亡き後は無用の長物である。多くの長岡さんの著作が方舟を拠点に生まれた。その意味では存在意義も大きかった。しかし、一市井人がこんなものをつくったところで、代替わりしたら、後の人が持て余すに違いない。同じく有名だった高城さんのコンクリートホーンの部屋も取り壊されたと聞く。こうしたハコモノも実は一時の仇花ではないのか。

結論。自分の生活空間=リスニングルームであるなら、何の問題もない。しかし、自分の生活空間とリスニングルームが一元化できないなら、本格リスニングルームはそんなにうらやましくないのだ。自分の生活空間にオーディオをうまく同居させるほうがいいと思う。

自分の生活空間にオーディオを同居させる場合、オーディオ装置は常識的な金額でまとめることができる。もちろん私などは趣味だから多少贅沢しているが、金にあかせたオーディオというのは常識程度のオーディオと大差ないものなのだ。
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by yoshisugimoto | 2013-11-10 09:14 | オーディオ | Comments(0)