ベートーヴェンの七重奏曲
2010年 07月 15日

「・・・ベートーヴェン初期の傑作で、明るい旋律と堂々としたリズムをもち、作品が公開された当初から広く親しまれたとされ、初版が出版される前から海賊版が出回っていたとも言われている。作曲されたのは1799年から1800年にかけてで、同時期に作曲されたものに交響曲第1番などがある。ベートーヴェンの作曲人生の中では古典派音楽の勉強と自らの独自性を模索する時期といえる。モーツァルトのディヴェルティメントのように、娯楽的でサロン向けの音楽として書かれているが、旋律やリズム、構成の面などでその後のベートーヴェンらしい作品の登場を予感させる部分も随所に見られる。第5楽章のスケルツォはそのひとつである。作曲者によるピアノ三重奏版も存在する(Op.38 After The Septet)。
しかし、この作品の人気とは裏腹に当のベートーヴェンは、いつまでもこの作品がもてはやされ続けるのを拒んだと言われており、「あの七重奏曲のベートーヴェンさん」と形容される度に不快感を示したといわれる。これはこの作品は作曲者にとってやはり大衆迎合の域を出ておらず、自分の追い求める音楽とは違っているということの意思の現れであるといえる」
日頃あまり注目されないが、結構な名作である。ブラームスのように根暗な感じはなく、根アカで、理想主義的曲想だ。若い頃のベートーヴェンはいい。我が家にはベルリンフィル八重奏団とウィーン室内合奏団の両方のCDがあるが、ベルリンの低音はさすがに強力。ニンバス・レーベルで録音もいい。
Beethoven: Septett Op. 20
Ludwig van Beethoven (Composer), Paul Hindemith (Composer), Berlin Philharmonic Octet (Performer) | Format: Audio CD
by yoshisugimoto
| 2010-07-15 18:09
| クラシック音楽CD
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