鬼才トリスターノ レニー・トリスターノ
2015年 12月 24日
トリスターノの録音は極めて少ない。また演奏は異色だが、くつろいで楽しめる感じはない。しかし、ビル・エヴァンスをはじめ、後輩のピアニストに少なからぬ影響を与えたとされる。典型的なミュージシャンズミュージシャンと目される人物である。
私見であるが、エディ・コスタなんかも影響をモロに受けたのではないかと思う。スタイルに若干共通性があるように感じる。
前半4曲は異常な緊張感があるが、後半はリー・コニッツとの普通のセッション録音になる。サイドメンの一人になると、くつろげるサウンドになるようだ。トリスターノは一切の妥協を許さない難しい人だったらしく、60年代半ば以降公の場での活動やレコーディングをほぼ停止。78年に世を去るまで、自宅のスタジオに引きこもり時折やってくる生徒にレッスンをつけるという隠遁生活を送ったとのことである。
難しい人だったのは盲人だったからかもしれないが、同じ盲目のピアニストでもシアリングなんかの例もあり、やはり本人の個性と言うしかない。失礼だが残っているご本人の写真はどれも厳しい表情で、どうもフランケンを連想してしまう。これは例外的に微笑んだ1枚。
レニー・トリスターノ
曲目リスト
1. ライン・アップ
2. レクイエム
3. ターキッシュ・マンボ
4. 東32丁目
5. ジーズ・フーリッシュ・シングス
6. 君の面影
7. 君がいたなら
8. ほのかな望み
9. 君はわがすべて
by yoshisugimoto
| 2015-12-24 12:39
| ジャズ
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