リムスキー・コルサコフのアンタール
2014年 11月 23日
珍しいのはリムスキー・コルサコフのアンタールである。
『アンタール』(Antar)作品9は、ニコライ・リムスキー=コルサコフが1868年に作曲した管弦楽作品である。当初は交響曲第2番嬰ヘ短調『アンタール』として作曲されていた。その後1875年と1897年に2度の改訂を行っているが、第3版(1897年)で交響曲でなく交響組曲とされた。曲の内容が標題的で、多楽章形式の交響詩に近いからだと考えられる。今日演奏されるのは第3版であるが、「交響組曲」としてよりも「交響曲第2番」として扱われることが多い。
曲は4つの楽章からなり、6世紀アラビアの詩人アンタール(アンタラ・イブン・シャッダード、Antara Ibn Shaddad)の見る夢と、彼が夢の中で実現を約束される3つの願望を表している。『シェヘラザード』同様、リムスキー=コルサコフ好みの東洋趣味あふれた作品である。また、中東の民謡などが実際に曲中で主題として使われている。
標題のあらすじ
現世をはかなんでパルミラの廃墟に隠遁していたアンタール。彼はある日、一頭のカモシカを襲う巨大な鳥を槍を投げつけて追い払う。カモシカの正体はパルミラの妖精の女王ギュル・ナザールであった。彼は夢の中で女王の宮殿に招待されて、彼女から礼として「人生の3つの喜び」を贈ると約束される。
構成
第1楽章「アンタールの夢」
Largo(廃墟の描写、アンタールの主題) - Allegro(女王の主題、鳥の攻撃と撃退) - Largo - Allegretto(宮殿の描写) - Adagio(女王とアンタールの会話) - Allegretto(宮殿の描写) - Largo
第2楽章「復讐の喜び」
Allegro - Molto allegro - Allegro - Molto allegro
第3楽章「権力の喜び」
Allegro risoluto alla marcia
第4楽章「愛の喜び」
Allegretto vivace - Andante amoroso (再び人生に疲れ果てたアンタールは、女王との愛の喜びの中で死んでいく)
(以上Wikipediaより)
ちょっとシェーラザードを彷彿させる佳作である。オーケストラ好きなら結構楽しめる。録音はモノながら十分優秀。シェルヘンの遺した録音は結構多く、語り口も独特なので、いまだに存在意義は薄れていないと思う。
BERLIOZ: Harold in Italy
BERLIOZ: Symphonie Fantastique
RIMSKY-KORSAKOV: La Grande Paque russe Overture
RIMSKY-KORSAKOV: Symphony No.2
RIMSKY-KORSAKOV: Capriccio Espagnol
TCHAIKOVSKY: Romeo and Juliet Overture
TCHAIKOVSKY: 1812 Overture
TCHAIKOVSKY: Marche Slave
London Symphony Orchestra
Royal Philharmonic Orchestra (Harold in Italy)
Hermann Scherchen, Conductor
Rec.1953
by yoshisugimoto
| 2014-11-23 07:47
| クラシック音楽CD
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