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by yoshisugimoto
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フルレンジの使いこなし

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個人的にフルレンジSPを使った時期は長い。1977年から1999年の20年以上になる。今でも10cmフルレンジをサブシステムとして結構切り替えて楽しんでいる。結局、長岡さんの影響力が今だに強いということになると思う。今もってフルレンジしか眼中にない人も結構いる。ある方から頂戴したメールの一部である:

(前略)私35年以上前からの長岡鉄男氏の大ファンで以前からバックロードホーンを使用していますが、氏の推奨FEシリーズは、中域が綺麗で評判のフルレンジです。それにバックロードホーンは、ロードがかかっているのは低音で、中域から高域までは、背圧が殆どユニットにかからずのびのびと鳴るはずなのですが、中域が粗いというのは初めて聴きました。失礼とは思いますが、他の機器アンプやプレイヤーまたはソフトのせいではないでしょうか?もちろんD-55は今でも私のメインスピーカーです。ボーカルの生々しさは絶品ですし、ヴァイオリンなど弦楽器も繊細で、粗っぽさは全くありません。(後略)

趣味の世界だから、他人がとやかく言う筋合いはない。どう感じるかは人それぞれと思う。こういうのを読むと、私としては自分も通ってきた道だから、共感もできるが、違和感も強い。

フルレンジのメリットは長岡さんがあちこちの書籍に何度も書いているので、ここでは割愛するが、デメリットの一番手は、分割振動である。すこし音量を上げるとうるさくなるし、分解能も悪くなる。

たとえば長岡さんは、限定版のFE208スーパーの中高音は「スコーカー並み」などと書いていた。「並み」はあくまで「肉薄する」の意味であり、「凌ぐ」ということではない。強力磁気回路のフルレンジは、なるほど中高音の歯切れはいいが、音がきつく立った感じになる。もちろん聴き疲れする。低音も出にくいので、余計にそう感じる。これが「スコーカー並み」の正体だ。要は分割振動がより耳につくのである。これに比べると磁気回路がほどほどのフルレンジは聴きやすいが、歯切れもほどほどとなる。一長一短なのである。

いずれにしても、分割振動をどう目立たなくさせるかが使いこなしの腕の見せ所だ。フルレンジを使う限り、分割振動は絶対に避けられないので、聴感上目立たなくするしかない。

・ソースを限定する
・エージングでユニットを老化させる
・吸音材で目立たなくする
・カーボンダイヤトニックで目立たなくする
・高性能ツィーターで目立たなくする
・サブウーファーで低域を持ち上げて目立たなくする
・ケーブルで目立たなくする
・真空管アンプで目立たなくする
・SPエナコムを使って目立たなくする

とりあえずこんなところだろうか。私は、ツイーターを使っていないが、他のすべての方法は駆使している。フルレンジは妥協と割り切りが肝心だ。極論すれば、フルレンジの使いこなしは、自分で自分を納得させて、分割振動に免疫をつくることなのだ。分割振動を何とも思わないなら、それは幸せなことである。逆に分割振動に過敏にカリカリしていたら、フルレンジは精神衛生上よくない。

フルレンジの使いこなしについては、長岡さんもエージング以外ほとんど書いて来なかった。長岡さんは製作記事のあとで、けっこう自分の作品を絶賛してしまう傾向があった。しかし、そのままでは半製品の状態なのだ。フルレンジの使いこなしこそ、いろんなノウハウと経験が要るのだと思う。
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by yoshisugimoto | 2013-12-30 16:43 | オーディオ | Comments(0)