LPを処分しなくてよかった~
2009年 04月 02日
私に言わせれば、古書は一般書店で新品が買えない限りにおいては意味がある。それしか、手にする方法がないからだ。しかし、一般書店でリプリント版が買えるなら、個人的には意義を見出せない。
古書を蒐集するのが趣味の人がいる。趣味としてなら、古い装丁といったものに味わいを見出す人は当然いるだろう。もちろん趣味だから他人がとやかくいう筋合いはない。
LPの場合はちょっと事情が異なる。LPのファースト・プレスはテープが全く劣化していない時期のカッティングなので、価値があるとされるわけだ。しかし、当時のマスタリング・カッティング機器は現在のものより劣るに違いない。そうすると現在リマスタリングされたCDがLPのファースト・プレスより大幅に劣るとは考えにくい。ファースト・プレスを「オリちゃん」と言って大枚を投じる向きもあるようだが、お金の有り余っている人はやればいいだろう。
そんなわけで私の場合、わざわざ中古LPを買い求める根性はない。しかし手持ちのLPは自分の青春の思い出が詰まっている。50歳になった今、手持ちの700枚のLPは貴重である。CD時代になってもLPの再生技術は細々と進化し続けてきたようで、結構な音質で再生できることもわかった。それどころかCDにない味わいがあるのにも目覚めた。LPは邪魔だから処分しようか、と思わないこともなかったが、どうせ二束三文だし、ということで踏みとどまってきた次第である。これが、結果としては良かった。
ステレオサウンドの編集長氏が「漆黒のLPの盤面には香気がただよう」といった意味のことを書かれていたが、ようやく少しは共感できるようになったわけだ。
by yoshisugimoto
| 2009-04-02 21:08
| オーディオ
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