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録音を聴く

クラシック音楽とジャズとオーディオのブログ


by yoshisugimoto
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60年代のセル・オーマンディのCBS録音



故長岡さんは「市販のケーブルはみんなチリチリした音がする」といった意味のことを書いておられた。個人的に同感である。長岡さんの発言は氏がフルレンジ使いであることもポイントだ。フルレンジは分割振動し、歪が多い。したがって、たとえばアクロテックとかSAECなんかはフルレンジと極めて相性が良くないと思う。「解像力が高い=きつい」のである。フルレンジでなくてもこの傾向はある。だからオーディオ雑誌で推奨されている解像力の高いケーブルを買い集めても、決してトータルで自然な音は出ないだろう。たとえば電源ケーブル・SPケーブル・RCAケーブルとすべて8Nを使ったりしたら、中高音キンキラで低音は出ず、聴くに耐えないバランスになるのではないかと思う。

ポイントはいかにマイルドな音のケーブルに解像力の高いケーブルを組み合わせるかだ。ここでうまくバランスを取るわけである。もちろん機器にはクセがないのを前提にした話である。実際は機器のクセも考慮してケーブルを選定する必要があるわけだ。

現在、電源ケーブル・SPケーブルとも5.5スケ電力キャブタイヤ(ラバロン)を使っているが、割と真空管の音に近づけるのに成功した。しかしおとなしいだけでは艶や微妙なニュアンスが出ず、平凡な音になる。ここで8Nケーブルを使う。だいぶ前に買ったTARA LABSのPRISM 5というRCAケーブルである。PRISM 5は8Nケーブルのなかでは最もおとなしい音がする。さすがに実に繊細微妙な音も出て、申し分ない。
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クラシック音楽のソースの弦は結構うまく鳴らすのが難しい。ぎらぎらときつかったり、やたらとメタリックだったり、キーキーとモノトーンだったりする。さざめくような微妙なニュアンスが出ないなら落第である。正しい再生は弦を馬の尻尾の弓でこする感じが出ることだ。実演に聴く弦の音はややかすれたような微妙な感じである。

具体的には60年代のセル・オーマンディのCBS録音からこの感じが再生できるかどうか、が一つの試金石となる。両者とも美音のオケの最右翼とされる。しかし、大半の人はセル・オーマンディのCBS録音などキンキンで聴くに耐えない音と思っていることだろう。

ところがうまく再生すると、ややクセが感じられるにしても、驚くほどいい音なのである。あなたはこの経験をされたことがあるだろうか。

R.Strauss: Tod Und Verklarung; Sinfonia Domestica; etc / George Szell, Cleveland O, Eugene Ormandy, Philadelphia O

このCDはセル・オーマンディのR・シュトラウスの録音だが、驚くほどいい音である。
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by yoshisugimoto | 2009-03-12 21:43 | オーディオ | Comments(0)